茨城県・土浦(つちうら)のまちで「音」を集めて未来に残している人たちです。
今日は、その思いと、やってきたことを、みなさんにお話しします。
話し手 ― 宇津木紘一(TSAP代表)/中村浩之(作曲家・Beyond Boundary Music)
下のボックスをタップすると、すぐにそのページにジャンプします。先生は時間配分の目安に。
🕐 教室で=みんなで一緒に / 🏠 おうちで=長い動画・音は家でじっくり聴いてね
古い商店街のにぎわい。もう鳴らなくなったお寺の鐘。むかしの市場の声。
写真は残せても、音は録っておかないと、二度と戻りません。
「あの音、もう一回聴きたいな」と思っても、もうどこにもない――。
それがくやしくて、わたしたちは土浦のまちの音を、みんなで集めて、未来へ残すことをはじめました。
霞ヶ浦(かすみがうら)の波の音、お寺の鐘、お祭りの音…。これは土浦というまちの「声」です。
写真を見て「どんな音かな?」と想像してから、▶ボタンを押してみてください。ぜんぶ、土浦で実際に録った本物の音です。
▶ボタンの前に、3つの「ヒント」から正解を当ててみよう! 押すと答えが出るよ。
クイズで聴いた6つの音は、ほんの一部です。
みんなで集めた音は、地図のうえに公開されています。
地図のピンをタップすると、その場所で録った音が流れます。
収録例: 🌊 霞ヶ浦の波音(ホワイトアイリス号) 🚲 自転車のラチェット音(りんりんロード) 🌾 風になびく葦(霞ヶ浦総合公園)…
▶ 音アーカイブを開く ※おうちのタブレット・スマホでもひらけるよ
東光寺で、集めた音と光のコンサート。
お寺の鐘や読経(おきょう)の響きを録って、その場所の音といっしょに作品にしました。住職さんは「この音は何百年もここで鳴ってきた音だ」と話してくれました。
霞ヶ浦サイクリング録音/竹でライト/草木でストール染め。
自転車で走りながら録音したり、竹を切る「パキッ」、葉っぱを煮る「ぐつぐつ」…作りながら出る音も、ぜんぶ"まちの音"。
音は、色や手ざわり、暮らしとつながっています。
土浦のまちで、自転車に乗って、船に乗って、湖と川と街の音を集める日。「つちうらサウンドピクニック」には、みなさんと同じ年ぐらいの子どもたちも参加しています。
小学生もちゃんと、本物の探究者です。
サウンドピクニックで集めた自転車の音(鍵の音・車輪の音・走る音)を使って、リズムにアレンジしてみました。
録った音は、楽器みたいに使えるのです。
🕐 教室で最初の1〜2分だけ / 🏠 おうちで全4分20秒、再生バーをドラッグして好きな場所から
サウンドピクニックの他にも、草木染め・竹のライト作りのワークショップを開いてきました。「染める音」「竹を切る音」「コトコト煮る音」――作るときに出る音も、ぜんぶ「まちの音」です。
草木染めや竹ライト作りで「録音した音」を組み合わせて作った、1分間の音楽です。
葉っぱを煮る「ぐつぐつ」、竹を切る「パキッ」、染めた布のかさかさ ― そういう音が混ざりあって聴こえます。
つくりながら出る音も、ぜんぶ音楽の材料になります。
2026年2月、土浦の東光寺を半日まるごとお借りして、集めたまちの音と光の作品を発表しました。
住職さんもいっしょに、お寺の鐘や読経の響きを録音。子どもも大人も、波形を見ながらヘッドフォンで聴いたり、布の天井を見上げたり。お寺の中が、その日だけの音楽空間に変わりました。
お寺で録った鐘の響き・読経(おきょう)の声を素材に、3分の音楽作品を作りました。
「録った音」が、そのまま「音楽」になります。
🕐 教室で2分の冒頭 / 続き(全27分)はおうちで宇津木さんに聞いてね
▶を押すと、このページの中で再生されます(別の画面には飛びません)。
🗺️ 音アーカイブ(地図 + 音)
tsuchiura-sound-achib.netlify.app/map/
🌐 TSAP プロジェクトサイト
tsuchiura-sound-achib.netlify.app
SOUND PICNIC、竹のライトづくり、染色体験、東光寺のイベントに参加してくださったみなさんから、こんな感想をいただきました。
竹のライトづくり、ストールの染色体験を通して、地元の人との新しいつながりをいただき、大変有意義な時間となりました。
息子も竹のライトを非常に気に入っております。
体験活動が減っている昨今。自然に混じり、普段意識しないことに気づけるこの活動は大変意味深いと感じました。
五感をフル稼働させ、のめり込んだ音が、音楽として構成されていく体験もまた初めてでした。コンサートでは、自分の活動の記憶を音で呼び覚まされながら、不思議な没入感を感じました。
子どもにとっても大人にとっても、日常と非日常が入り混じるこの体験は、唯一無二の体験であると思います。
サウンドスケープ(Soundscape)― これは「まちや自然の、聴こえてくる景色のぜんぶ」を意味する言葉です。
絵で描く風景(landscape)があるように、耳で聴く音の風景(soundscape)がある、という考え方。
どの人も、わたしたちと同じく「消えていく音を録って残す」「聴くことで世界を見直す」ことを仕事にしてきた人たちです。
▶ボタンを押すと、本物の活動・作品が聴けます。
🕐 教室で各動画30秒〜1分だけさわり聴き / 🏠 おうちで全部じっくり
「サウンドスケープ」という言葉を世界に広めた人。世界の自然・都市の音を録音して残すプロジェクトのはじまりを作った。本『The Soundscape』(1977) で「音は風景である」と説いた。
代表作『Music for Wilderness Lake』(1979) は、湖の上に12人のトロンボーン奏者を浮かべて、夜明けに演奏する作品 ― 自然と音楽が出会う、有名な野外コンサート。
45年以上、世界中のジャングル・草原・海で「自然の音」を録音し続けてきた人。5,000時間以上の録音・15,000種以上の生き物のデータベースを作った。動物の声・風・水音が時間とともに変わっていく様子をしらべ、「自然の音がきえる=環境がこわれている合図」と気づかせた。
▶ TED で 1,400万人以上が見た有名な講演:
BBCのネイチャー番組(デイビッド・アッテンボロー『フローズン・プラネット』『グリーン・プラネット』)の音を担当する、世界一の野外録音家。「マイクは耳のかわり」と言い、音だけで場所を伝える作品をたくさん作っている。
代表作『Vatnajökull』は、アイスランドの巨大な氷河を録音した曲 ― 氷がパキッと割れる音、風、海鳥の声。耳だけで、はるか遠い場所に行けます。
シェーファーの仲間として活動。「サウンド・ウォーク(耳をすませてまちを歩く)」を世界に広めた人。
代表作『Kits Beach Soundwalk』(1989) は、カナダの海辺を歩きながら録った9分の作品。波の音、フジツボの食べる音、遠くの工事音…耳をすますと、世界が広くなる体験ができます。
わたしたちと同じく「まちの音を、みんなで集める」プロジェクトが、世界中にあります。
日本政府が「未来に残したい日本の音」を全国から募集。47都道府県から738件の応募があり、専門委員会が100個を選びました。
たとえば 北海道の流氷の音 / 京都・東寺の鐘 / 沖縄の三線 など。30年前に、もう国が「音は残すべき文化だ」と言っていたのです。
110か国・5,000以上の音・2,500人以上のアーティストが参加する、地球まるごとのサウンドマップ。2025年で10周年。
イギリスの大英図書館がすべての録音を「永久アーカイブ」として保存しています。
世界の地図を開いて、好きな場所をクリックすれば、その町の音が聴けます。
世界中の研究者・アーティスト・教育者がつながって「音を通じて環境を考える」ことを話しあっている学会。日本・カナダ・アメリカ・イギリス・ヨーロッパに支部がある。
わたしたち(つちうら)も、矢向のみなさんも、この仲間です。
「まちの音をあつめる」のは、カナダ・アメリカ・イギリス・日本……世界中で、もう60年続いてきた、立派な仕事です。
日本では環境省も30年前から取り組んでいます。
矢向小学校6年生のみなさんが取り組んでいることは、世界の研究者・アーティストがやってきたことと、まったく同じことです。
つまり ― もう、世界中に仲間がいるということ。
離れた二つのまちで、同じ「まちの音」を、同じ「好き」という気持ちから、
同じようにまちに出て集めている。
世界中のアーティストや研究者も、これを「サウンドスケープ」と呼んで真剣にやっています。
だからみなさんは、授業をやらされているのではなく――もうわたしたちの仲間。本物の探究者です。
最初は「なんで?」と思った人もいるかもしれない。でも続けてきたことがすごい。
みなさんはもう、その道を歩いてきました。
パッドをタップすると音が鳴ります。下のマスを光らせて、自分のリズムを作ってみよう!
スタートを押して、聞こえた音を一つずつタップで足してみよう!
見つけた音: 0 個
9マスのうち、見つけた音をタップ。3つ並べたら「ビンゴ!」 全部見つけたら最強の探究者だよ。
0 / 9 見つけた
帰り道で一回だけ立ち止まって、「なくなったら寂しい音」を1つだけ決めてくる。
録音できなくていい。覚えておいて、明日クラスで言うかメモする。
それで、みなさんはもうサウンドアーカイブの仲間です。
みなさんの横浜・矢向の音も、わたしたちの土浦の音と同じように、未来へのおくりものになります。